● 緩和ケアチームの活動方針
当院は急性期病院であり、診断と同時に手術療法・化学療法・放射線療法といった治療をうけ、病気や治療からくる苦痛に対する症状緩和が必要な患者さんが多数おられます。私たちは、治療を継続しながら今おかれている現状や病状を正しく把握し、早期の社会復帰や生きがいを見出すためのサポートに重点を置いた緩和医療が必要と考えています。そのためがんの初期の段階から継続した緩和ケアを提供し、地域の医療機関や在宅療養支援診療所と連携し、何かあれば支えとなれる急性期病院の役割を果たしながら継続した治療・ケアが提供できるよう、各分野の知識を集結してサポートしています。
● 緩和ケアチームのメンバー
緩和ケア科医、産婦人科医、麻酔科医、循環器内科医、精神科医、歯科口腔外科医、看護師、薬剤師、医療ソーシャルワーカー、管理栄養士等、多職種が所属しております。
● 相談対応
従来は、入院中の患者さんのサポートを行ってきましたが、2023年1月より、当院に通院歴のある患者さんを対象に、地域の医療機関や在宅療養支援診療所からの相談対応を開始いたしました。入退院支援室の看護師が窓口となり、緩和ケアチームが院内の関連部署と連携して、症状緩和や生活上の困りごとの相談に対応させていただきます。
ご希望の患者さんは、かかりつけ医の先生や訪問看護師等にお申し出ください。
※当院通院中・入院中の患者さんは、これまでどおりスタッフへご相談ください。
≪緩和ケアのあり方≫
- 基本的姿勢
すべての患者さんに公平に耳を傾け、疾患、治療に伴う苦痛に対し、優しさと配慮をもった対
応を心がけています。 - 緩和ケアの導入
①患者さんのためのケアであること
患者さん・家族の方のニーズを知り、自己決定を支援することを優先します。医療者の価値
観が先行しないように努めます。
②チーム医療であること
患者さんと家族の方の意向が異なる場合や、患者さんの意思が確認できない場合など、慎重
に対応します。終末期の鎮静、延命治療など倫理的問題を含むものなどは多職種でのミーテ
ィングを持つなどして冷静に判断いたします。
③緩和ケアにおける当院での可能性と限界の理解
苦痛の積極的緩和を行い、あくまでも患者さん・家族の方がどのように過ごされたいか自己
決定をされた上で、その実現に向けて支援するものです。人的・物的環境の問題は緩和病棟
をもつ施設とは異なりますが、そのような環境が得られなくとも当院を選択された患者さん
・家族の方のニーズは何かを理解して関わります。