教育方針
Ⅰ 教育理念
日本赤十字社は、赤十字の理念である「人道」を基盤とし、いかなる状況下でも人々の生命と健康を守り、苦痛を予防・軽減し、尊厳を確保するため、国内外でさまざまな活動を展開している。看護実践においては、人々の生活の質向上のために、倫理観に基づき、多職種との協働の中で、専門性と自律性を発揮することが求められている。
本校は、この赤十字の理念を基盤とし、人々が生きることを支えるために、自ら学び、看護を創造する豊かな人間性を備えた看護実践者の育成を目指す。
Ⅱ 教育目的
赤十字の理念を基調とし、豊かな人間性を育み、看護に関する幅広い能力を備えた赤十字看護師として、広く社会に貢献できる人材を育成することを目的とする。
Ⅲ 教育目標
- 赤十字の基本理念である人道を基盤とし、人間の生命と健康を守り、苦痛を予防・軽減し、尊厳を確保できる豊かな人間性と倫理観を養う
- 看護師としての人間関係を形成するコミュニケーション能力を養う
- 対象を身体的・精神的・社会的に統合されたかけがえのない存在として、幅広く理解する能力を養う
- 科学的根拠に基づいた看護の実践に必要な臨床判断を行うための基礎的能力を養う
- 健康の保持・増進・疾病の予防および健康の回復に関わる看護を健康の状態やその変化に応じて実践する基礎的能力を養う
- 保健・医療・福祉システムにおける看護の役割を理解し、多職種と連携・協働しながら多様な場で生活する人々に看護を提供する基礎的能力を養う
- 専門職業人として、リフレクションを通して自ら学び続け、看護の質向上を図る基礎的能力を養う
- 赤十字の諸活動に関心を持ち、国内外で活動するための基礎的能力を養う
Ⅳ 教育方針
本校は、赤十字の理念を基盤とし、人々が生きることを支えるために、自ら学び、看護を創造する豊かな人間性を備えた看護実践者の育成を目指す。
1.ディプロマポリシー(目指す卒業生像)
1)様々な場面で意思決定する際に、「人々の苦痛を予防・軽減し、人間の尊厳を守る」という視点を意識して、物事にあたる。
2)多様な年代や立場の人々とかかわり、相互関係を通して尊重しあう関係性を育み、信頼を得ている。接する人々に安らぎを感じてもらえるような関わりをしている。
3)自分が積み重ねてきた看護観を振り返り、自分の看護観を持ち、願いや夢や希望をもって看護実践を向上し続けている。
4)刻々と変化する状況を判断し、その場に応じた看護が実践できる。対象の健康の保持、増進に努め、よりよい生活を送れるような看護を探求し続けている。
5)看護師としての意志、意見を持ち、社会が求める看護職の役割を発信することができる。
人々と連携、協働して柔軟に対応し自己の責務を果たしている。
6)体験をリフレクションする習慣をもち、論理的思考で物事をとらえ、看護実践に活かし、よりよい看護実践を探求し続けている。
7)将来のビジョン・ゴールやテーマを持ち、継続して自己研鑽を行う姿勢を持ち、自己のキャリアを形成しようとしている。
2.カリキュラムポリシー(教育課程編成・実施の方針)
本校は、赤十字の理念を基盤とし、人々が生きることを支えるために、自ら学び、看護を創造する豊かな人間性を備えた看護実践者の育成を目指す。
目指す卒業生像に到達するために育成したい能力を7つの観点(KYO2-CareerRainbow)すなわち、赤十字プライド(コアアイデンティティ)、対人対応力、看護観、看護実践、協働する力、省察的思考力、自己教育力とし、本校の教育目標ひとつひとつは、これらの7つの観点により立体的に構造化される。
本校は学生が主体的に学ぶことを重視した教育メソッド(KYO2-Rainbow:マインドマップ®・リフレクション・ポートフォリオ・ルーブリックの教育方法とその活用方法についてパッケージ化したもの)を構築している。これらを創造的に活用しながらカリキュラムをすすめ、目指す卒業生像を目標にして学んでいく。またKYO2-Rainbowを赤十字の実践者である看護教員が活用することは、日々の教育活動を通して互いに学び合う関係性を築くことに繋がっていく。
本校の学び方の特徴は、看護に必要な知識や技術、コンピテンシー(行動特性・能力のあらわれ)が学生の周囲に360度に配置されており、学生が中心となって自ら意思をもったタイミングで手をのばしてそれらを得ることを理想としている。いわば教員は、それぞれの学生の手があと少し届かない部分をつなぐような役割をもっている。
学生が主体となって看護に必要な知識・技術・コンピテンシーにアクセスする方法は、概念的思考力、臨床判断能力を育み、看護の対象である生活者の多様性・複雑性に対応した看護を創造する能力につながっていく。
各分野や科目の配置は、昨今の情報過多や変化の激しい社会背景と教育内容量の増加の環境下にある看護学生にとって、3年課程で効率的に基本的看護実践力を身につけ、将来の専門職業人としての成長につながるよう、リフレクションと体験の意味づけ、重要なことを関連させて、自らつなぎ看護に活かせるような構築とした。